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眠りと健康
眠りと健康
睡眠は、脳や身体を休めるために欠かせない営みといえます。現代社会において、さまざまな不安やストレスによってなかなか眠れずに悩んでいる人も多くなっています。
厚労省令和1年国民健康・栄養調査では平均睡眠時間が6時間未満の方の割合が男性37.5%、女性40.6%で、特に年代別では男性30~50歳代・女性40~60歳代で4割を超えています。br>
睡眠で休養が充分とれていない者の割合も20%を超えており、健康日本21 第2次期間(平成25年から11年間)の目標値である15%を超えています。
※出典は厚労省令和1年度国民健康・栄養調査
快適睡眠のための構成要素
不眠をもたらす8つの原因
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環境がもたらす不眠
眠りを妨げる外的要因として騒音・光・室温度などがあります。寝室の環境を見直すことが重要です。
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心理的要因による不眠
ストレスや心配事があると寝つけないもの。神経質な人の場合、眠れないことが不安になり、強迫観念(不眠恐怖症)にとらわれることもあります。自分なりの入眠儀式をみつけるなど、心を落ち着かせ、リラックスすることが大切です。
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生理学的要因による不眠
海外旅行による時差ボケ、生活リズムの乱れも眠りを妨げます。
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精神医学的要因による不眠
神経症やうつ病など精神医学的な疾患は、不眠を伴うことが少なくありません。
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薬剤や飲酒による不眠
服用している薬やアルコールなどが原因で起こる不眠があります。
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身体的要因による不眠
身体の痛み、かゆみ、発熱、呼吸困難、高血圧なども不眠を招きます。
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脳の病気に伴う不眠
脳出血、脳梗塞など脳の病気に伴う不眠です。
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老人性不眠
高齢になると眠りが浅くなり、目が覚めやすくなります。また、昼寝等が原因で夜眠れなくなる場合があります。糖尿病などの疾患も眠りを妨げます。健康な場合は、昼間に散歩をするなど身体を積極的に動かすことで夜ぐっすりねむる工夫を。
不眠の症状
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入眠困難
眠ろうと思って床に入ってもなかなか寝つけず、1〜2時間も眠れない状態です。
眠れなくても気にしすぎないこと。自分なりの入眠儀式を持つこともおすすめ。
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中途覚醒
夜に何度も目が覚めてしまい、その後、なかなか寝つけない状態です。
就寝前にトイレを済ませておくこと。アルコールの過剰摂取は眠りを浅くするので控える。
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早朝覚醒
きようと思った時刻よりも早く目覚めてしまい、その後眠れない状態です。
日中にしっかり活動するなど生活リズムを整える。早く寝れば早く起きるのが自然と考える。
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熟眠困難
睡眠時間は十分なのに、ぐっすり眠った感じがしない、疲れがとれない状態です。
ストレスや悩みごとをためないようにする。副交感神経を優位にする(=リラックスする)ための取り組み。
睡眠時無呼吸症候群
一晩に何度も呼吸が止まる
「睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)」とは、眠っている間に呼吸が止まる病気です。その頭文字をとって「SAS(サス)」と呼ばれます。具体的には、1回10秒以上の呼吸停止や呼吸量低下が、一晩に30回以上あるいは1時間に平均5回以上起こる状態をいいます。
こんな症状は要注意
睡眠時無呼吸症候群はなぜ起こるのか。そのほとんどの人は、のどの筋肉がゆるみ、舌が落ち、気道がふさがるためと考えられています。普段からいびきをかく人、肥満型の人や顎が小さい人に多いといわれていますが、私たちは、眠っている間の無呼吸に、なかなか気づくことができません。でも次のような症状があらわれたら要注意です。
まずは、生活習慣の改善を
睡眠時の無呼吸を防ぐためには、適度な運動で太り過ぎを防ぎ、お酒やタバコを控えるなど生活習慣の改善が重要です。横向き寝など体位変換療法も効果的。耳鼻科治療が必要な場合も。マウスピースを使って、下顎をだすように固定することも予防につながります。
「CPAP(Continuous Positive Airway Pressure = 経鼻的持続陽圧呼吸療法)」は、有効な治療法のひとつとして普及が進んでいます。鼻にマスクをつけ小型の機械から空気を送り込み気道を広げて無呼吸を防ぐもので、症状のレベルによっては保険の対象となります。
快適な睡眠環境
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音
外の音が入ってこない工夫を
眠る時に気になるのが外の音。雨戸、二重サッシ、厚手のカーテンなどで静かな環境をつくる工夫を。図書館ほどの静けさ(40dB以下)が理想ですが、静かすぎるとかえって緊張してしまうことも。お気に入りの音楽を聞いてリラックスするのもおすすめ。
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色彩
やすらぎを感じる落ち着いた色に
寝室(壁・カーペット・家具等)におすすめのカラーはベージュ系、グレー系、ブラウン系などの落ち着いた色。赤や黄など刺激的な色は避けた方が無難。涼しく爽やかなブルー系は、夏場のコーディネートに。淡いピンクは優しい雰囲気を演出します。
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光(照明)
寝室の明るさは30ルクス以下に
寝室は、ほの暗く、何かが見える程度の明かりに。光源が直接目に入ると眠りを妨げるので、調光が可能なものが便利。フロアランプなどの間接照明も適しています。スマホ等から出るブルーライトには脳を覚醒させる作用があるので注意しましょう。朝は太陽光で自然に目を覚ますのが理想的。体内時計をリセットさせ、覚醒を促します。目覚めたら、まずカーテンや雨戸を開ける習慣をつけましょう。
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湿度・温度
冬15℃、夏25℃、湿度50%程度が目安
寝室でエアコンを使用する場合、就寝1時間後、起床1時間前にタイマーをセットしょましょう。一晩つけっぱなしにすると乾燥し、肌あれや風邪の原因になるので要注意。
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広さ
ゆとりある広さを確保
敷きふとんの場合は最低4.5〜6畳、夫婦の寝室なら8畳のスペースは必要。ベッドの場はシングルなら6畳、ツインベッドなら10畳くらいのスペースが理想的。敷きふとんやベッドは風が通りやすいよう足元と両サイドに適度なスペースを設けましょう。背の高い家具は圧迫感を招き、地震で倒れる危険があるので、できるだけ避けたいものです。
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香り
香りで心身をリラックス
嗅覚は睡眠と関わりの深い感覚。寝る時は、アロマやハーブティーなどで、ほのかな香りの演出を。自分好みの香りを選べば自律神経の切り替えをサポートし、心身をリラックスさせてくれます。
・リラックスの香り(就寝前): ラベンダー、オレン ジスイート、ローズ、カモミール等
・リフレッシュの香り(起床時): レモン、グレープフルーツ、ペパーミント、ユーカリ等
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